●事務所日誌


白色申告記帳義務化スタート

2014年(平成26年)1月より、白色申告記帳義務化スタート。

現在は、条件付で義務付けられている白色申告者の記帳ですが、来年1月より、全ての白色申告者に記帳・帳簿等の保存義務が課されることになりました。

現在の条件とは、「前々年分または前年分の不動産所得、事業所得及び山林所得の金額の合計額が300万円を超える場合」、ですので、記帳の方法も分からない方も少なくないと思います。

今回はこの改正について少し見ていこうと思います。

・対象者

事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずる業務を行う全ての人が、対象となり、所得税の申告の必要のない人も、今回の改正により記帳・帳簿等の保存制度の対象となりました。

つまり、今までの境目であった所得300万の条件がなくなり、全ての事業者の方が対象となりました。

・記帳する内容

記帳とは、売上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額等を帳簿に記載することをいいます。

記帳については、一つ一つの取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。

・帳簿等保存期間

所謂、売上帳や、領収書を保存しておく必要があります。

帳簿や書類によって年数が異なります。収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)は7年、業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿)は5年とされており、決算に関して作成した棚卸表その他の書類や、 業務に関連して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類も5年とされております。

・青色申告の方がお得?

今までは、白色申告には記帳の義務がなく、キチンとした帳簿ではなく簡単な帳簿を作ればいいというメリットがありました。しかしながら、今回の改正により、白色申告にも記帳義務が課され、この利便性が希薄化するともに青色申告との区別がつきにくくなってきました。

これを機会に青色申告に移行するのもよいかもしれません。

青色申告には白色申告にはないメリットがあります。例えば…

  • 青色申告特別控除・・・所得税から最大65万円を差し引くことができます。
  • 青色事業専従者給与控除・・・同じ生計の 配偶者と 親族の給与分を全額必要経費とすることができます。
  • 赤字の3年間繰越控除・・・赤字が発生しても翌年に繰越したり、税金の還付ができます。

などです。もし、青色申告に変更したい場合は、税務署に『青色申告の届出書』を提出する必要がありますので、提出期限にはご注意ください。

以上、今回の改正について軽く紹介していきました。国税庁のホームページにも詳しく説明がされていますが、当事務所は記帳の仕方が解らない方への相談会を実施しております。個別に帳簿の確認、記帳代行も承っております。

他にも青色申告書作成等様々なご相談に乗りますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

  2013/09/26

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